バイノーラル録音とは、人間が耳で聴いている音を再現するための装置「バイノーラルヘッド※」 を使用した録音のことです。 バイノーラルヘッドは一般に人間の頭の形の模型に耳の構造を再現した特殊なマイク(イヤーシミュレーター)を 組み込んだもので、実際に人間が鼓膜で感じる音を再現することができます。 そのため、バイノーラル録音された音声をヘッドホンで聴くと、とてもリアルな臨場感を感じることができます。
このコーナーでは、mimimamoの音響測定でおなじみ、バイノーラルヘッドのサミー君(サザン音響製 SAMER HATS4500E)を使って、 様々な場所でバイノーラル録音した音声を掲載しています。是非ヘッドホンを使ってバイノーラル録音の世界を体感してみて下さい。
最近、ノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホンが人気となっており、メーカー各社から沢山のモデルがリリースされています。
そんな中、ノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホンにmimimamoを装着した場合の影響について、お問合せを受けることが多くなってきました。
「mimimamoをつけたらノイズキャンセリングの効果が弱くなるのでは?」
そんな疑問にお答えするために、今回は番外編として、サミー君による音響測定を行いました!
(サミー君は音響測定用のヘッドなので、むしろこちらが本職なのですが。)
測定方法は、スピーカーから騒音を発生して、サミー君のマイクで音を測定します。
サミー君には、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドホン(mimimamoあり・なし)を装着して、どのような違いがあるか測定します。
使用するヘッドホンはノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンとして人気の高い「SONY WH-1000XM3」をチョイスしました。
※使用した「SONY WH-1000XM3」のファームウェアバージョンは2.0.0です。
測定用の騒音として「ピンクノイズ」を使用します。
ピンクノイズとは、音響測定によく利用されるノイズで、音の各周波数がまんべんなく含まれており、「ズゴー」というような感じの音に聞こえます。
【ご注意】非常に大きな音なので、試聴される場合はボリュームにお気をつけください!
まずは、mimimamoを装着する前のWH-1000XM3のノイズキャンセリングの音です。
元の騒音が非常に大きいのである程度音が聞こえますが、かなり効果があるのが実感できます。
次は、mimimamoを装着した場合の音です。
装着するmimimamoはLサイズです。
測定結果のグラフを見ると、mimimamo装着前より低域で音が小さく、高域で音が大きい部分が見られますが、おおむね同じくらい効果を発揮しています。
mimimamoを装着しても、ノイズキャンセリングは同じくらいの効果を発揮することが分かりました。
しかし、これで安心してはいけません!
次はmimimamoを装着してイヤーパッドが浮いてしまった場合の試験結果です。
実は、mimimamoを装着したとき、カバーの張りによってイヤーパッドが浮いてしまうと、ノイズキャンセリングの効果が弱くなってしまいます。
この試験では、mimimamoを深く被せて、サミー君の耳の後ろ側でイヤーパッドが5mm位浮く状態を作りました。
グラフを見てもかなり音が大きくなっていることが分かりますね。ノイズキャンセリングヘッドホンにmimimamoを装着する場合はイヤーパッドの浮きにお気をつけください。
また、イヤーパッドが浮いてしまう場合は、カバーを伸ばしたり、浅めに装着すると改善する場合がありますのでお試しください。
※音声は全てバイノーラル録音です。ヘッドホンでお楽しみください。
フィフティスクエアのある東京都府中市には大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)という大変古い歴史のある神社があります。
大國魂神社では、毎年5月に「くらやみ祭り」というお祭りがあり、名物の「大太鼓」が登場します。
右の方からだんだん近づいてくる太鼓の音。ドーン、ドーンとまるで打ち上げ花火の爆発音のように聞えます。
左手からは太鼓の解説の声が聞こえます。色々な条件付きながら、世界一の大太鼓だとのことです。
左右に2つの大太鼓が打ち鳴らされています。
荒々しい掛け声を合図に、右の太鼓が引っ張られ、だんだんと近づいてきます。
右の太鼓の音圧で、後方にあるお店のシャッターが共振して「ビーン」という音を立てています。凄まじい轟音です。
右の太鼓が真正面に来たあたりで、あまりの爆音に録音のレンジをオーバーしてしまい、一部音が歪んでしまいました。大太鼓恐るべし。
太鼓に導かれて、右手からお神輿がやってきます。
大地を揺るがすような大太鼓の音をバックに、担ぎ手たちの声も熱を帯びます。
くらやみ祭りのクライマックスです。
※音声は全てバイノーラル録音です。ヘッドホンでお楽しみください。
mimimamoの製造を委託している株式会社和興の工場にお邪魔して、工場内外で録音させてもらいました。
工場があるのは岩手県一関市の市街地から車で1時間ほど離れた山の中です。当日は天気も良く、たくさんの鳥のさえずりが聞こえました。
音声のなかのナレーションはフィフティスクエアの林社長です。一部に和興の國分社長の声も入っています。
工場内の縫製場です。たくさんのミシンが並んでいて、あちこちからミシンの音が聞こえます。
一般家庭で使うミシンの音は「コトコト」という感じですが、こちらで使われる工業用ミシンはスピードが速いせいか、「ガー」という感じに聞こえます。
近くのミシンの音、遠くのミシンの音・・少し早口の女性達の会話も、忙しそうな現場の雰囲気が伝わってきます。
一反(いったん)の長い生地を加工しやすい長さに切りそろえる裁断機(通称:おおだち)です。
台の上を緑色の機械が左右に動いて生地を裁断して重ねていきます。
左から右へ帰るときの「カン、カン、カン」という音やきしむような音。いかにも年季の入った機械を思わせる音です。
コンピュータ制御で型通りに自動裁断する裁断機(通称:こだち)です。
おおだちによって切りそろえた生地をこの裁断機でmimimamoの丸い形に裁断します。
最新型の裁断機らしく近代的な音がします。裁断を行うヘッドの部分が移動するときの「キュイーン」という音、裁断中の「ギュイーー」「ブシュ、ブシュ」という音がロボット感満載です。
mimimamoの縫製作業です。丸い形を90°ずつ回転させ、ピンセットを駆使してゴムを引っ張りながら縫い付けることで、生地にキレイなギャザーが入っていきます。
周りのミシンと比べて、かなりゆっくり縫っているため、「シャカシャカ」という優しい音がします。下でミシンのペダルを踏む音がカタカタと聞こえます。
音声の収録と同時に写真撮影をしていたため、左の方からパシャパシャというシャッター音が聞こえます。
※音声は全てバイノーラル録音です。ヘッドホンでお楽しみください。
※注1:ハイレゾ音源の再生にはQuickTimeプラグインが必要です。サイズが大きいので再生されるまで時間がかかる場合があります。